3年間カンボジアで学生を受け入れて気づいた、成長するインターン生の3つの条件

青木 健太

by 青木 健太

カンボジアで多くのインターン生を見てきてわかったこと

Kenta Aoki
はじめまして。私は「かものはしプロジェクト」という日本のNGOの共同代表をしております、青木と申します。普段は、カンボジアのシェムリアップという街に住み、農村開発・教育のプロジェクトを行っています。

かものはしプロジェクトを起業して13年目になりますが、もとは学生団体だったこともあり、これまで数多くの学生インターンのひとたちと一緒に働く機会がありました。特にこの3年間は、カンボジアでもインターンを積極的に受け入れ、多くの学生が現地の人たちのために、そして自分自身の成長のために、がんばっている姿を支援し、見守ってきました。

今日は、そんな中で気づいた、インターン中に成長する学生に共通する3つの特徴についてお話します。

①長期間滞在できるかどうか

1つめの成長の条件は、長い期間インターンをできるかどうかです。単純なことですが、長い期間かけてインターンシップをすることで初めて気づく事はたくさんあります。とくに海外インターンの場合は生活環境の壁や言語・文化の壁といった、時間をかけて乗り越えていくべき多くの壁があります。

渡航してすぐは「任された仕事で成果を出す」という以前に、「報告・連絡・相談といった社会人としての基礎動作が出来るようになる」「海外での生活に慣れる」「現地の方との文化の違いになれる」といったことに多くのエネルギーと時間を使うこととなるでしょう。これだけで3ヶ月ほどすぎてしまうことも珍しくありません。

なんとか慣れてきたときにはもう帰国、となってしまうと、成長にとって大切なプロセスをじっくりと体験することができません。仕事で成果を出して自分の自信につなげること、一連の活動をじっくり振り返ることで自分の将来へのヒントを得ることといったプロセスです。

私たちの団体では、「半年以上」を条件としてインターン生の受け入れを行っています。もちろんそれだけの期間を海外ですごすとためには、金銭の負担も多く休学が必要な可能性もあり、ハードルが高いことはわかっています。ご両親を説得したり、ときにお金を借りたりしなくてはいけないかもしれません。そのハードルを越えてくる熱意のある学生を受け入れたいという団体としての都合もありますが、それ以上に、学生にとって海外インターンをより大きな成長の機会にしてほしいと思いそのような条件設定をしています。

②素直であること

Be honest
2つめの条件は素直であるかどうかです。これは人の指示やアドバイスを無条件で受け入れろと言っているわけではありません。ただ、色々と考えて動けないくらいであれば、まず一度丁寧に言われた通りにやってみるひとは良く成長する、という意味です。

インターンをしていると色々な壁にぶつかります。そのときインターン先にいる日本人スタッフやカンボジア人スタッフ、先輩インターン、ほかにもたくさん出会うであろうカンボジアで暮らす先輩方から、インターン生の成長や問題を解決するためのヒントをたくさんもらうことが出来るでしょう。もちろん一対一で相談して具体的なアドバイスをもらうこともあれば、その人の何気ない一言や行動にヒントが含まれているかもしれません。

例えば上司から
「この本、おもしろかったから読んでみなよ。きっと役に立つよ!」
「君はXXXにとらわれてるから、ちょっと視点を変えてみたほうが良いんじゃないかな?」
といったアドバイスをもらったときにどうしますか?何を言われているのかをしっかり理解し、たとえ小さくても何かしらのアクションができるか。

これらができるかできないかは、頭の良さや行動力よりも「素直であるか」どうかの違いだと思います。

(ちょっと何を言っているのかわからない。でもいまさら聞き返せない)
(あの人はそのやり方かもしれないけど、僕には当てはまるんだろうか)
いろいろと理由をつけて、真剣に考えなかったり行動しなかったりするのは、いつまで経っても成長するチャンスをつかめません。そもそも、なぜ自分でこの環境を求めて来たのか。そこを思い出せば、おのずとすべきことが見えてくるはずです。

素直な人は伸びます。たくさん失敗し、アドバイスがもらえ、経験が実績に変わっていくからです。

③めげずに自分の目標を見つけられるか

3つめの条件として大事なのは、インターンの途中に自分で目標を設定することができるかどうか、です。
 
数ヶ月して振り返ってみると当時考えていたほど自分が活躍していなかったり、仕事の内容が思っていたことと違ったり、簡単なことでもなかなか進まなかったりと様々な想定外があるものです。そこで諦めずに自分なりの目標・ミッションを常に探しつづけられる人は大きく成長してインターンを終えることが多いように思います。

逆に、ふてくされてしまったり、新しい目標を与えられるのを待っていたりするとあっという間にインターンは終わってしまいます。

自分がやりたいこと、やれること、団体が求めることの3つが一致する中で、ギリギリ背伸びして、ちょっとジャンプすれば届く目標設定ができるかどうか。それは、インターン先が与えてくれるものではなく、自分の成長・自分の人生に責任を持つ自分自身が最終的に行うことです。あなた以外の誰かが、あなた以上に真剣に、あなたの成長を考えてくれるわけではないのです。

一歩先の目標を見据えられる人は、常に情熱を持って仕事をすすめることが出来ます。情熱を持つ人の周りには、日本人、現地人問わず、多くの人が集まってきます。うまく行かないと思っていたことが急に進み出すこともあるでしょう。まず自分自身がエネルギーを持つこと、そのための目標設定を常に出来る人こそが成長できるのです。

さて、成長するインターンの3つの条件、いかがでしたでしょうか?

共通していえることは、自分で成長するというマインドをもって動くことです。出来るだけ長期間にわたって、素直に、常に目標を見据えながら一歩ずつ進んでいけば必ず大きな成長が出来ると思います。みなさんのインターン生活が、より実りのあるものになるよう、祈っています。

(編集:立花実咲

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