カンボジアでNPO法人かものはしプロジェクトでインターンをしていた高橋 翠(たかはしみどり)です。貧しさがゆえに強制的に子どもが売られてしまう問題を世界からなくす事を目的としています。短期大学に入学してすぐに、1年間の休学を決意してアメリカでボランティア活動を行っていました。帰国後は、すぐに復学する予定だったのですが、アメリカで人身売買問題を解決しようとしている女性ジャーナリストに出会ったことがきっかけで、もう1年の休学を決意をしました。
結果、短期大学で2年間休学し、カンボジアでは7ヶ月間のインターン業務に取り組んでいました。
カンボジアでのインターン中は、農村の工房「コミュニティーファクトリー」にて、カンボジアで採れる「いぐさ」を使った手作りのお土産を作る事業を手伝っていました。貧しい農村家庭の女性たちが、約100人以上集まり、一緒に仕事をしています。この工房では、貧困層の女性たちが働くことを通じて、経済的・社会的に自立することを目指しています。
例えば、文字の読み書きや、数字の計算、栄養のある食生活の指導、貯蓄の知識など自分で生きていく力を培うことを通じて、将来の選択肢が広がるようにしています。
私の担当業務は、セールス部門、コミュニティーファクトリーのガイドです。業務内容は
コミュニティーファクトリーの店の改善
カンボジア人スタッフの日本語ガイドスキルアップ
コミュニティファクトリーの訪問改善、訪問予約の窓口
などがありました。
私は当時、三重県のど田舎で短期大学に通っていたのですが、そんな私がなぜ、カンボジアでのインターンを決めたのかを、お話します。
大学では、入学後すぐに就職先を考え始めなければならない環境になり、「何か違う!このまま何もしないで学生を終わらせたくない!」と感じる日々を過ごしていました。そこで、思い切って休学し、1年間アメリカでボランティア活動に参加しました。
そこで運命的な出会いがありました。
人身売買を解決しようとしているジャーナリストの女性に出会ったのです。彼女との出会いで、初めて人身売買の問題が世界にあることを知りました。発展途上国を始め、世界中でこの問題が起きていることを知り、衝撃でした。
アメリカに滞在中は、多国籍の女性たちとシェアハウスをしていたのですが、人身売買が彼女たちの国でも行われていると知ったとき、この問題が突然生々しく身近なものに感じられたのです。
その後は、私にも何かできる事がないかと考え、インターンネット上で「人身売買」について調べているとき、「かものはしプロジェクト」が取り組んでいる事を知りました。
2013年6月には、初めてカンボジアのコミュニティーファクトリーを訪問しました。カンボジアのスタディーツアーの中に、かものはしプロジェクトのコミュニティーファクトリー訪問が組み込まれているのを見つけて参加することを決めたのです。
ファクトリーが持つ、持続的な雇用で安定した収入と生活をするために、必要なライフスキル獲得の機会を提供することで、女性たちの経済的自立と現地のニーズに即した運営を可能とする、という現地に根付いた考え方に、私はとても衝撃を受けました。そして「もう1年休学してみよう!」と直感で決断をして、カンボジアで海外インターンをすることにしたのです。
私が通っていたのは、短期大学という事もあり、毎日授業も詰め込んで、月に2回ほど検定試験がありました。その当時の私は、検定試験に追われる毎日でした。
ですが冒頭でも述べた通り、ある日突然、「このまま学生生活を終わらせて良いのか…」と疑問に思ったのです。
みなさんも、忙しい毎日を過ごすなかで、たまに「このままで良いのだろうか?」と自問自答することはありませんか? その状態から抜け出すのは簡単です。「いやなら変えてみよう。ここから新しい世界へ抜け出してみよう!」という気持ちと勢いと、勇気だけあれば、そこには新しい世界が広がっています。
(編集:立花実咲)
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