はじめまして、田中將介です。僕は3年次を休学して「かものはしプロジェクト」のカンボジア事務所で、2013年6月から11月まで海外インターンをしていました。インターン中は、シェアハウスのガレージに住んでいました。部屋を出ると外で、必ず犬のうんちがあったので、うんち部屋と言われていました。
かものはしプロジェクトは、い草製品の製造・販売を通じて貧困層の女性たちの雇用を生みだす取り組みをしています。僕はその事業の中でも、働いている女性たちが生きる力を育む取り組みを行う、人財育成チームに所属していました。
ところが、女性のためにと思って活動していたにも関わらず、気がつけば自分がいろいろなことを教わる立場にいたのです。
海外インターンに参加した理由。よく聞かれる問ですが、答えは「社会問題を解決したいから」? 「このまま大学生活を送ると後悔しそうだから」?
いえ、こんな優等生な答えはできません。本音は、「直感」です。
実はインターンをする前、2年生の夏休みを使ってカンボジアに遊びに行きました。そこで、かものはしプロジェクトのインターン生に出会ったのです。衝撃的でした。なぜなら、彼は「学生」で「長期」で「途上国」に住んでいたからです。そんな選択肢もあるのか、とショックでした。当時の僕は、そもそもインターンという言葉すら知らなかったのです。旅をする人は周りにいたけれど、海外インターンに挑戦している人はいませんでした。
そこで、海外インターンに「チャレンジしないで3年生になった自分」と、「チャレンジして3年生になった自分」を想像しました。答えはすぐに出ました。
昔から、社会問題への関心が高かったため、児童買春問題の解決に取り組む、かものはしプロジェクトでインターンをすることに決めました。
海外インターンと言うと、ハードルが高く感じますよね。「自分は何もできないし、迷惑ばかりかけそうでこわい」なんて思う人もいるでしょう。僕自身、インターンする前は少なからず不安はありました。「英語で仕事する自信ない」とか「長い間、海外に住めるかな」とか。
さらに言えば僕は大学まで野球をしていたので、野球の世界しか知らず、パソコンすら持っていませんでした。
けれど、わからないことは丁寧に教えてくれる周りの方々のおかげで、不安は吹き飛びました。受け入れる側も即戦力なんて求めていないと思います。
そんなに気を張る必要はありません。「成長しなくては!」と鼻息を荒げる必要もありません。おもしろそうと思ったら、とりあえず応募すればいいと思います。経験者の方や、プロジェクトに関わる方々と直接話をしてみたら、一層惹かれるかもしれないし、違うなって思うかもしれません。だから、少しでも興味を持ったなら、まずは誰かに相談してみましょう。
最後になりますが、友だちや後輩に海外インターンをやるか迷っていると相談された時、僕は「好きにしたらいい」と答えるようにしています。
誰がなんと言おうと、決めるのは自分です。それぞれの人生なのだから、「自分はどうしたいのか」を大切にしてほしいと思います。
自分で決めた道だから、自分で責任をとることができます。休学して海外インターンをして本当に良かった。僕はそう思います。僕の経験は、一例でしかありません。あなたは何を選び、どう行動しますか。
(編集:立花実咲)
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