Cambodia Internship experience of Hikari Yamazaki

1年間の長期海外インターンは回り道ではなく近道だった

[:ja]山崎[:][:en]Hikari[:] [:ja]ひかり[:][:en]Yamazaki[:]

by 山崎 ひかり

休学しないという選択肢はなかった

こんにちは。大学4年次を休学し、カンボジア・シェムリアップの SPA KHMER(地産のハーブの魅力を最大限伝える会社 kru khmerのスパ部門)で1年間長期海外インターンをしていた山崎ひかりです。現在は日本に帰国し、ソーシャルビジネスを通じた社会問題解決のため、国内や途上国で事業を展開している会社から内定をいただき就職活動を終えました。

皆さんの中には、休学して1年遅れることが就職活動に悪影響かもしれないことが心配で、なかなか一歩を踏み出せないという方もいるかもしれません。
今回は、休学と海外長期インターンが私の就職活動にどのような影響を与えたのか?ということを私の経験からお伝えします。

私は大学入学時から3年間、カンボジアの農村部に教育支援を行う学生NGOに所属していました。貧困層の村の子どもでも大学に通えるような仕組みを作るため、国内でのプロジェクト立案や長期休暇毎にカンボジアに通うなど活動をしていました。

活動するうちに3つの葛藤が生じました。

  1. 教育支援では救うことのできない人々がいる(収入が無い家庭の子は教育にアクセスし難い)
  2. ボランティア・学生活動の持続可能性への疑問
  3. 「支援しなくては」という思いに依存しているのは支援している私たち側ではないか

ということです。

これらを解消すべく、「ビジネス・働くという異なるフィールドからカンボジアに関わりたい」と考えるようになります。

「関わるのであれば長期で」「そこで得た興味関心をさらに大学生のうちに学び直したい=卒業後ではなく今行きたい」との思いもあり、休学とカンボジアでの長期インターンを決めました。
私の中で葛藤をうやむやにしておくという考えはなかったため、休学は自然の流れでした。

カンボジアでの長期インターンが就職活動に与えた影響

カンボジアでインターンをする前は自分の就職に軸がなく、「海外と関わることができる仕事」と漠然と考えていましたが、インターン後は仕事選びに対して3つの基準ができました。

  1. カンボジア・途上国に関わることができるか
  2. 1のフィールドで人の生活の根底に関わることができるか
  3. 2によって人々がより良い生活を送ることができるか(仕事を通して社会課題を解決できるか)

です。

1は、漠然と「海外に関わりたい」と考えていたインターン前に対して、海外であればどこでも良いわけではなく、今後成長していく途上国・新興国の現場で働きたいという気持ちが強くなったということです。

4年間カンボジアで活動する中で様々な「変化」に立ち会ってきました。「建築ラッシュやモータリゼーションによる短期間での街の発展」、「教育を受けられるようになり、将来の夢に近づいている子」、「開発に伴い自然が失われていく村」……。

Meet various changes in Cambodia during volunteering and internship

現代の日本では馴染みの無いこのような人や物、風景の変化が新鮮でした。また、インターン中は「できなかった仕事でも努力し、前進していく」「仕事を通しできることが増え、自信も増していく」というカンボジア人スタッフの内面的な変化に触れました。

このような「変化」が身近にあった中で、私自身が途上国という環境で、その変化のきっかけとなる人・変化を生み出せる人になりたいと考えるようになりました。
実際に就職活動ではこの基準で、東南アジアに事務所があったり、今後力を入れて現地を変化させていくという経営方針のある企業を中心に選びました。

さらに、途上国に関わるという「関わる」の”浅さ”、”遠さ”に自分がどこまでなら妥協できるかがわかったことは大きなポイントです。

インターン後の就職活動では、開発コンサルタントや生活インフラ系プラントエンジニアリング企業の選考も受けていました。日本国内での人事など管理系の部署、資金集めや営業、現場の事務所でのマネジメントなど、文系にも様々な職種があります。もちろん管理系の業務も、将来的に私が現場で働く時には役に立つだろうし、途上国のインフラを支える企業の人材を採用することが「途上国と関わる」と言えると思います。でも、いざ自分がその業務をすると想像した時に、「あの国のあの人の顔」が見えない関わり方に引っ掛かりを覚えました。

考えた結果、「相手国の人々のポジティブな変化が見られること」が私にとって「関わる」の基準でした。例えるなら、「橋が架かる前はこうだったあの人の生活が、私たちが橋を架けたことでこのように変化した」ということです。

カンボジアでのインターン中は、ハーブの生産者に会い、製品を工房でスタッフと作り、カンボジア人スタッフと毎日を過ごしていました。私が関わってきたソーシャルビジネスの担い手が、「日々の努力が実り、スキルアップ・ポジションアップした」「ミーティングで発言できるようになった」「問題を見つけ改善できるようになった」という変化を自ら起こしている姿はとても頼もしかったです。インターンでカンボジア人と働き、彼らの変化を間近で見てきたことで、彼らと直接関わるやりがいを覚えました

Create positive impacts for local people

2は、カンボジアのような国々では十分な生活基盤がないために低い生活水準を余儀なくされている人々が未だ多くおり、その問題解決によって貧困層の人々にも大きいインパクトを与えられると考えたためです。ボランティアやインターンで村の子ども達やスタッフの生活の現状を目の当たりにし、水・道路・電気・収入手段等、生活の根底にあるものの重要性を再確認したことからそう考えるようになりました。実際に就職活動では、水・再生可能エネルギー・開発・社会問題解決を専門とした企業の選考を受けました。

Got a clear vision through the long internship in Cambodia

3は、インターンを終え「こんな場所のこんな状況の人を、こんな状況へと変えたい」というのが写真のように明確に描けるようになったことで、実際に自分の仕事を手段に社会問題を解決していきたいと考えるようになったためです。カンボジアのインターンではソーシャルビジネスが彼らに与えられる良い影響も感じていきました。収入があると自信と人生の選択肢が増えるということです。20歳にして一家の大黒柱として働くスタッフは、収入の使い道を自分で決められていること、家族を支えていること、そして自身の将来を考えられるようになったことを喜んでいました。
就職活動では社会的なインパクトを与えることができ、最速で取り掛かることができる企業を選ぶに至りました。

実際に就職活動を経験して

2月下旬までカンボジアにいた私は、インターン終盤の1、2月は就活解禁間近だったり、ベンチャー企業が内定を出し始めていたことから、就活への準備ができず焦りを感じたこともありました。四季報を読みたくてもカンボジアでは読めないし、SPIの勉強もできない。
そのかわりに、カンボジアでのインターンには「今ここでしかできないこと」がたくさんあったので、そちらに集中しようと意識しました。

日々のインターン業務を全力で取り組むことはもちろん、自分と向き合う時間は十分にあったため、これまでの人生の振り返りやモチベーション起伏の特徴、強み・弱み、インターンの前後で成長した部分・成長できなかった部分、ありたい姿など、徹底的に自己分析をしました。

Reflect internship experiences and figure out what I want to be
カンボジアでのインターンを終え日本に帰国した後に、山崎さんが今後のありたい姿を整理した際のメモ

結果的にはこの自己分析がとても役立ちました。
同じ就活生の中でも留学・休学経験者は山ほどおり、重要なのはいかに自分がしてきたこと・得たこと・考えたこと・今後どうしたいかを語れるかであると感じたためです。特に困難に対してどのように考え判断し乗り越えていったかは、自身の判断基準や能力・行動力を明確に伝えられることからも、自己分析をもとに論理的にわかりやすく伝える工夫をしました。

また企業や職種を選ぶ際も、自分がどういう人間であり、どういう環境であると能力が発揮できるのかを把握しておくことで、「働きたい」「自分が働く姿を想像できる」企業だけを選りすぐることができ、それが会社への理解にも繋がるため選考もスムーズに進みました。

私は休学してカンボジアで長期インターンシップに参加したことで、就職活動においても今後の人生を選択する上でも、良い影響があったと思います。
目標や目的を明確にインターンシップをすることは、将来の自己実現の面では回り道でなく近道になりうると実感した1年間でした。

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