在学中に国内外でインターンをしていた、岩崎佳恵と申します。
大学3年生の半年間、はじめにインドネシア・バングラデシュで環境保全を行っている日系NGOで国内インターン、
その後、カンボジア・インドで活動している日系NGOで国内外含め1年間インターンをしていました。
日本国内、海外双方でのインターン経験者であるわたしが、それぞれの良いところ、悪いところをご紹介させて頂きます。
国内インターンでの活動
冒頭でも述べたように、私は大学3年生の夏から半年間、インドネシア・バングラデシュで環境保全を行っているNGOで国内インターンをしていました。
この団体では、「適正技術」をテーマに、現地の人たち自身で、地域に根差した環境保全の在り方や環境保全開発などを行えるようになることをミッションに掲げ、現地人と一丸となって活動を行っています。私は、実際に現地で活動に関わることはありませんでしたが、日本国内でその活動を支える取り組みをたくさん行いました。
また、その後は別のカンボジア・インドを拠点としているNGOでも、3か月間という短期間ではありましたが、国内インターンを行っていました。
どんな仕事を行っていたかというと、例えば、団体を支援して下さっているサポーターの方へ広報物作成、イベント運営のサポート、当団体のHP上での情報発信、現地スタッフが生産する工芸品の国内販売、ECサイトの管理などなど……。特に決まった仕事はなかったのですが、上司に頼まれたことは何でもやりました。
正直、最初は、「こんな雑用みたいな仕事をやりに来たんじゃない」と思うこともたくさんありましたが、逆に「こんな仕事もできないようなら、他の仕事は任せてもらえないし、頼まれたことをいかにスピーディーに120%のクオリティで完成させるか」が大事だということも、様々な業務を通して学びました。
いっしょにがんばる仲間が身近にいる良さ
国内インターンを通して学んだことは、インターンという「システム」や「環境」は、自分に「成長」や「変わるきっかけ」を自動的に与えてくれるわけではないということです。企業のように新人への教育体制もしっかりしているわけではなく、自分から率先して聞きに行かなければ、誰も何も教えてはくれません。だからこそ、自分で常に問題意識を持って、必要ならば自分から「他に何かできることがないか」と仕事を取りに行く姿勢が問われるのです。
国内インターンをしていて良かったなぁと思えるのは、上記のような基本的な「仕事のスタンス」を学べたことと、何と言っても、「サポーターの愛」を感じられたことです。皆さんが、どのような想いで団体を応援してくれているのか、それを間近で感じられることは、常に「誰かが応援してくれているから自分も頑張らねば」と思えますし、「その熱い想いを現地の方々に伝えなければ」と強く自分を鼓舞することもできました。
ただ一方で、現地でどのような活動が展開されているのか、自分の取り組みが誰をHappyにしているのかが見えづらいというのが、国内インターンの弱いところでもあります。
ずっと国内にいると、この活動がどのような目的のもと行われているのかを、見失わなわないでいるのが難しいかもしれません。
活動の価値を肌で感じられる海外インターン
海外インターンでは、自分が活動している団体が、どのような目的で、誰のために存在しているのかを目の当たりにすることができます。
「自分が国内でやっていたことや、団体を支えてくれている人たちの活動が、こんなふうに役立っているんだ!」と強く実感することができるのです。
また、それ以外にも、海外に出ることでたくさんの刺激と学びと感動を得ることができます。
最初は私も「カンボジアの人たちに何ができるんだろう」と考えていましたが、結果として、カンボジアの方にたくさん助けられ、たくさん可愛がってもらい、カンボジアが大好きになりました。
今でもカンボジア人の友人とチャットをしたり、「ヨシエ、いつカンボジア帰ってくるのー?」と、連絡をもらうこともよくあります。異国の地で、言葉も文化も異なる人たちと協同するのは、とても大変なことではありますが、彼らと一緒にもっともっと楽しく仕事がしたい!もっとコミュニケーションとって仲良くなりたい!と自分から積極的にアクションを起こせば、どんなにつたない現地語やジェスチャーだけでも、「心が通い合う」瞬間を味わうことができます。
これは、インターンという環境はもちろんですが、海外という未知の世界に自分の身を置くことでしか、味わえないのではないでしょうか。
自分の身は自分で守るべし
海外インターンの場合、治安や衛生面に関しては、日本より注意が必要です。私個人を慕ってくれる人もいますが、「日本人」であることは変わりないので、「お金を持っている」国の人と見られても仕方ないのです。
自分の危機管理の問題でもありますが、金目の物を盗まれたり、部屋から何か取られることなどもありました。この点に関しては、カンボジアであろうがどこの国であろうが、よりセンシティブになったほうが良いかと思います。自分で自分の身は守らなければなりません。
また、衛生面も同様です。私は市場のローカル料理が大好きだったので、よく現地の方と同じ食生活をしていました。「お腹は強い!」と思ってはいましたが、ある日「アメーバ赤痢」という病気になり、入院してしまったことがありました。
郷に入っては郷に従うではありませんが、色んなハプニングがありつつも、彼らと心を通わせる努力したり、現地でしか味わえない空気・味・景色を体感しておくことは、現地で力強く生活していくためにも自然と求められることなのではないかなぁ、とも思います。
国内インターン、海外インターンのどちらも経験しましたが、私は若いうちにたくさん新しい世界を見たほうが良いと、強く感じます。そういった意味では、海外インターンでの、自分と異なるバックボーンを持つ人たちと関係性を築く経験は、必ず糧になります。
自分がどんどんたくましくなるのを実感できますし、海外旅行でもなく、ボランティアでもなく、現地の方と一緒に目標に向かってがんばった経験は、自信になり、何かに迷ったときに自分を鼓舞してくれる起爆剤になるのです。
一端立ち止まり、「本当に海外に出る必要があるのか」を深く考えることは大事です。海外に行けば、成長できるというわけではありません。しかし、強い意志があって、自分の中で理由が明確ならば、それはあなたの判断ですし、他の誰でもなくあなたの一度きりの人生なので、自分がワクワクするような選択をすればよいと思います。
決められたレールを歩くことは簡単ですし、勇気もいりません。しかし、そこから敢えて離脱して、模索しながら自分の人生を切り拓こうとする姿は、誰でもできるものではありませんし、ガッツがいるものです。
国内に留まらず、海外でのインターンという選択肢を、前向きに考えて頂ければ嬉しいです。
(編集:立花実咲)
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